抗菌・抗ウイルスとは?それぞれの違いについて解説!

公開日:2022/06/15   最終更新日:2023/01/19

感染症対策が叫ばれている昨今で「抗菌」や「抗ウイルス」といった言葉を耳にする機会も増えたのではないでしょうか。なんとなく同じような意味で使いがちな抗菌と抗ウイルス。厳密には、それぞれ性質が異なるものだと知っていたでしょうか?この記事では、菌とウイルスの違いや抗菌と抗ウイルスの特徴について解説します。
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そもそも「菌」と「ウイルス」とは?

人体に悪影響を及ぼすという意味では、なんとなく似たイメージがある「菌」と「ウイルス」。実際は構造や繁殖方法など、性質はまったく異なっているのです。ここでは、菌とウイルスの違いについて説明します。

■菌とは

菌は、一つの細胞から構成されている単細胞の一種で、栄養や水など生きていくための環境が整えば、自分で増殖していくことができるのが特徴です。

人の体内に定着して増殖した菌は、人の細胞に侵入して傷害を与えます。また、細胞外でも自己増殖して毒素を出し、人体に有害な悪影響を与えるのです。

人の体にとって恐ろしい存在に思える菌ですが、ビフィズス菌や納豆菌のように人体に利益をもたらしてくれる菌も存在しています。大きさは1~10マイクロメートルほどです。これは人の細胞の10分の1程度の大きさですので、光学顕微鏡を使うことで見ることができます。

■ウイルスとは

ウイルスの特徴としては、菌は生物と言えるのに対して、ウイルスは生物とは言い切れないところにあるでしょう。というのも、環境さえ整えば自己増殖できる菌に対し、ウイルスは自己増殖できる能力がないからです。

ウイルスは核酸(DNA)とそれを保護するたんぱく質の殻からできている単純な構造です。自分で増殖する能力がないため、ほかの生物の細胞に入り込み、その細胞から増殖するのに必要な要素を補ってもらって、増殖していきます。そして、増殖した細胞は、また別の細胞に入りこんで増殖を続けます。

つまり、ほかの生物に寄生して、感染させることでしか生きられないというところが、自己増殖できる菌との大きな違いと言えるでしょう。ウイルスの大きさは菌よりはるかに小さく、10~数百ナノメートルほどです。これは人の細胞の100~1000分の1程度の大きさですので、電子顕微鏡を使わないと見ることができません。

抗菌と抗ウイルスそれぞれの特徴

菌やウイルスを防ぐためには「抗菌」「抗ウイルス」のコーティングを行うのがよいとされていますが、そもそもこの2つにはどのような特徴があるのでしょうか。

■抗菌とは

抗菌とは、菌の増殖を抑制することを言います。抗菌と似た言葉で「殺菌」や「除菌」がありますが、これらは菌を殺したり取り除いたりすることです。抗菌は、菌を殺したり取り除いたりはせず、製品の表面上にあらかじめ菌が住みにくい環境を作り出します。

また、日本産業標準調査会(JIS)によると、「加工されていない製品の表面と比較し、細菌の増殖割合が100分の1以下である場合、抗菌効果があると規定されています。

■抗ウイルスとは

ウイルスの場合、菌と違って生物ではないので、そもそも「死ぬ」ということがありません。つまり、ウイルスを殺す方法はないということです。

では、抗ウイルスはどういうことかというと、ウイルスを不活化させるということになります。ウイルスの不活化とは、ウイルスの外部組織を破壊し分解させ、生物の細胞に侵入する力や感染力そのものを失わせることです。

抗菌製品技術協会(SIAA)によると「加工されていない製品の表面と比較し、ウイルスの数が100分の1以下である場合、その商品に抗ウイルス効果がある」と規定されています。

抗菌と抗ウイルスの違い

抗菌加工をしていれば、抗ウイルスにも効果を発揮するようなイメージをもっていませんか?前述でも説明したとおり、抗菌と抗ウイルスでは、作用するものがまったく違うのです。

抗菌は菌が増えるのを抑えるもので、抗ウイルスは製品上の特定のウイルスの数を減少させるもの。抗菌さえしていれば、ウイルスも抑制できるように考えがちですが、抗菌がウイルスにも効果があるとは限りません。

その反対で、抗ウイルスが菌に効果があるとは限らないのです。製品を購入する際には、抗菌加工か抗ウイルス加工かをしっかりと確認し、自分が必要とする加工が施されているものを選びましょう。

そして注意しなければならないのが、抗菌・抗ウイルス加工がされていたら、手入れなどせずに放置していても効果が持続されると誤認してしまうことです。製品にもよりますが、抗菌・抗ウイルスは菌やウイルスが加工部分に触れることで効果を発揮します。

加工部分が汚れで覆われていると、効果が半減するおそれがあります。抗菌・抗ウイルス加工がされた製品も、こまめな手入れをして清潔に保ちましょう。

 

以上、菌とウイルスの特徴について解説してきました。つい意味を混同してしまいがちな菌とウイルスですが、増殖方法に決定的な違いがあります。菌とウイルスを防ぐ抗菌と抗ウイルスにも、それぞれ発揮する効果が違います。抗菌はウイルスには効かないし、抗ウイルスは菌には効きません。抗菌・抗ウイルス加工の製品を選ぶときには、用途に合わせたものを選ぶとよいでしょう。

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