抗ウイルス抗菌コーティングはどれくらい持続する?
コロナウイルス蔓延により、抗菌への関心が高まってきたことで、抗ウイルス抗菌コーティングが注目されています。感染症対策として有効だと言われる抗菌コーティングとは、どのような施工で、どのくらいの効果が期待できるのでしょうか。安心・安全な環境づくりを目指すためには、抗菌コーティングについてしっかりと理解しましょう。
抗ウイルス抗菌コーティングとは
抗ウイルス抗菌コーティングとは、細菌やウイルスが増えないようにするためのコーティング施工のことです。消毒や除菌とは、持続性・継続性が全く異なります。
除菌・消毒との違い
除菌や消毒は、すでに付着しているウイルスや菌に対し、無効化して除去することはできますが、新たに付着したウイルスや菌を除去することはできません。それに対し、抗菌コーティングは、すでに付着しているウイルス・菌を不活性化させるだけでなく、施工した後に付着したウイルスや菌に対しても、抗菌・抗ウイルス作用が継続するのです。
抗菌コーティングの種類
抗ウイルス抗菌コーティングは成分によって大きく3つに分類できます。
・光触媒
・銀イオン
・プラチナ
光触媒とは、酸化チタン等を主な成分として作られたコーティング剤で、太陽や室内灯の光によって、有害な物質やウイルス・細菌を分解して、二酸化炭素や水に変化させることで死滅させるという作用があります。抗菌コーティングの中でも最もよく使われる成分です。
銀イオンは、制汗剤や消臭スプレーなどにもよく使われている物質で大変安全性に優れています。銀イオンには、抗ウイルス効果の他に、消臭作用や防カビ作用も期待できます。
プラチナは、非常に抗菌効果が高く、また抗酸化効果も期待できる成分で、コーティングすることで、空中に浮遊している菌などから酸素を奪って不活性化を進めます。具体的には以下のような効果があります。
ウイルスや菌を分解する
有害物質であるウイルスや菌を不活性化させることが、抗菌コーティングの最も大きな効果です。コロナウイルスはもとより、インフルエンザウイルスやノロウイルスなどにも有効性が認められています。
優れた消臭効果
臭いのもとである有害物質も分解するため、生活臭や湿気によるカビの臭い対策としても有効です。
防カビ効果
抗菌コーティングは、防カビ効果や汚れ防止効果なども優れており、建物の外壁に塗布することで、カビや藻などの発生も防げます。
空気清浄効果
抗菌コーティングを施工することで、空気中のウイルスも不活性化することができるので、空気の清浄化にも期待できます。
抗ウイルス抗菌コーティングの持続期間
抗菌コーティングは、さまざまな場所での施工が可能となっており、その持続性についても調査研究が進められています。
抗菌作用はどのくらい続くのか?
抗ウイルス抗菌コーティングは、1度の施工で5年ほどは効果が持続すると言われています。ドアノブやスイッチ、手すりなどよく使われる場所でも、最低2年は抗菌作用が期待できます。抗菌コーティングをした場所は、頻繁な消毒や除菌の必要がなく、一般的な清掃で清潔を保っていれば問題ありません。
抗ウイルス抗菌コーティングのメリット
実際に抗ウイルス抗菌コーティングを施工した場合にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
従業員の負担が減る
多くの事業所において、従業員による日々の除菌・消毒作業は大変な負担となっています。また、飲食店や、公共交通機関など人の出入りが激しい場所での消毒作業は、非常な手間と人手がかかります。接触感染だけでなく、飛沫により付着して菌やウイルスも不活性化できる抗菌コーティングを行えば、従業員の負担を減らし、日常の業務に集中することができるのです。従業員の作業効率が上がり、企業の業績にも反映されれば、それは大きなメリットだと言えるでしょう。
安全で安心な環境を確保できる
コロナウイルスが蔓延している中で、従業員やお客様に安心して過ごしてもらうには、感染の抑制を期待できる抗菌コーティングをすること、そしてそれを周知することが重要です。施設を利用する人に不安を与えないことは、企業イメージのアップにもつながります。
まとめ
一度の施工で長期間効果が持続する抗ウイルス抗菌コーティングは、これからの感染症対策として高い注目を浴びています。大変な労力をかけて菌を除去する消毒作用や除菌だけではなく、菌やウイルスの増殖を継続して抑えることが、長期的な感染症対策としては賢明だということでしょうか。もちろん、除菌と抗菌どちらか一方に偏ることは避けなければなりませんが、両方を上手く使い分ければ、より効果的でより効率的な対策ができるはずです。