抗菌・抗ウイルスコーティングとはどんなもの?仕組みや問題点を解説

公開日:2022/05/15   最終更新日:2023/01/19


新型コロナウイルスの感染拡大にともない、多くの人が利用する施設や公共交通機関などで導入されているのが抗菌・抗ウイルスコーティングです。抗菌・抗ウイルスコーティングとはどのようなものなのでしょうか。今回は抗菌・抗ウイルスコーティングが効果を発揮する仕組みや問題点について詳しく解説します。
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抗菌・抗ウイルスコーティングとは

まずは抗菌・抗ウイルスコーティングとはどのようなものなのか、詳しく見ていきましょう。抗菌・抗ウイルスコーティングにもさまざまな種類があり、そのメカニズムは異なりますが、コーティングを施した場所に付着した菌やウイルスを不活性化し、感染力や毒性を抑えて繫殖を防ぐというのが主な効果です。

持続性や耐久性を兼ね備えたコーティング膜を形成することで、時間が経過した後や人が触った後、水拭きをした後であっても抗菌・抗ウイルス効果を維持できるものが多く開発されています。そのため、医療施設やオフィス、公共交通機関、飲食店など、人が集まるあらゆるシーンで感染を防ぐ目的で利用されています。

抗菌・抗ウイルスコーティングの仕組み

抗菌・抗ウイルスコーティングでは、どのような仕組みでウイルスを不活性化するのでしょうか。代表的な抗菌・抗ウイルスコーティングの種類とそれぞれの仕組みや効果について紹介します。

光触媒によるもの

光触媒は抗菌・抗ウイルスコーティングの中でも最も一般的で効果のある方法です。成分表示には「酸化チタン」と書かれているものが多く、酸化チタンは太陽や蛍光灯などの光を受けることにより、空気中の水分や酸素と反応し「活性酸素」を生み出すという性質をもっています。この活性酸素がウイルスを攻撃し、ウイルスを不活性化するのです。光触媒に利用される酸化チタンは安全性の高い成分で、人体に影響を及ぼす恐れがないため、不特定多数の人が利用する場所で幅広く施工されています。

銀イオンなどの金属イオンによるもの

次に銀イオンです。銀イオンのほかにも、銅イオンなどの金属イオンが用いられることがあります。とくに銀イオンは、制汗剤などにも使われている身近な成分なので、抗菌のイメージが湧きやすいのではないでしょうか。銀イオンによる抗菌・抗ウイルスのメカニズムには複数の仮説がありますが、その中でも上記の「光触媒効果」と「銀イオン自体の効果」が発揮されていると考えられています。銀イオンは不安定な物質で、すぐに周りの物質と結合しようとする性質があります。

そのため、ウイルスの内部にまで侵入することが可能で、ウイルスの機能維持に必要なたんぱく質やアミノ酸などの構造と結合することでその機能を停止させます。銀イオンは、こうしたメカニズムでウイルスを不活性化さますが、この場合は銀イオンが別の物質に変化してしまうため、銀イオンの総量が減っていきます。持続的な効果をうたっている商品の場合は、「光触媒効果」を主に発揮していると考えてよいでしょう。

プラチナによるもの

プラチナは、光触媒や銀イオンとは真逆のメカニズムで抗菌・抗ウイルス効果を発揮します。抗菌・抗ウイルスコーティングに利用されるプラチナはナノサイズの微粒子で使用されることが多く、水をまとった形状になっています。常に電子を発生させており、その電子が安定を求めて周囲のウイルスから酸素を奪うことでウイルスを不活性化するのです。

抗菌・抗ウイルスコーティングの問題点

最後に、抗菌・抗ウイルスコーティングの問題点について見ていきましょう。技術は常に進化し続けているので、こうした問題点を克服する商品もどんどん開発されていますが、現状起こり得る問題点として以下に2つ紹介します。

均一にコーティングするのが難しい

抗菌・抗ウイルスコーティングを施工する際は、ハケやローラー、簡易なスプレーで塗布するのが一般的ですが、塗膜厚が均一になりにくいため、抗菌剤の塗膜表面への露出も不均一となり、抗菌・抗ウイルス効果が低下する恐れがあります。また、簡易スプレーや塗装用簡易スプレーガンでの施工も、噴霧ミストの径が大きいと付着のムラや抗菌剤微粒子間の隙間が発生し、効果が限定的になるという問題点があります。そのため、専門スタッフの塗装専用ガンによる塗装が望ましいです。

アルコールによりコーティングが取れてしまうことがある

一般的な抗菌・抗ウイルスコーティングは水拭きしても効果が持続するものが多い反面、アルコールには弱く、アルコールで清掃するとコーティングが取れてしまうという問題があります。最近では技術の進歩により、アルコールで拭き掃除をしても抗菌・抗ウイルス効果を維持できる製品も開発されていますが、一般的なものはアルコールを用いての清掃には注意が必要でしょう。

まとめ

一般家庭や規模の小さな施設であれば、人の手による毎日の消毒が可能ですが、不特定多数の人が利用する大きな施設や交通機関などでは、より強力な接触感染対策が求められます。そこで効果的なのが、抗菌・抗ウイルスコーティングですが、抗菌・抗ウイルスコーティングにもさまざまな種類があり、それぞれ特徴や効果が異なります。しっかり理解して正しく取り扱うことで、より安心な環境をつくることができるでしょう。

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